車のバッテリー上がりは突然やってくる|日常点検で見落とさないための準備

車の運転者には、車が安全に運転できるための日常的な点検が義務付けられています。

ついパッと乗り込んで移動してしまいがちですが、実際には運転前点検が必要とされているのです。

教習所でも毎回点検させられるわけではないので、意外と点検義務があること自体を忘れている運転者は少なくありません。

本記事では、バッテリーが上がってしまう原因から、チェック方法、チェック時に便利なアイテムなど、バッテリー上がり発生前にできる運転者の準備について詳しく紹介します。

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バッテリーが上がってしまう原因とは

一般的にバッテリーが上がってしまう原因には、2つのプロセスが存在します。

  • 人的要因によるバッテリー上がり
  • 自然放電によるバッテリー上がり

この2つのプロセスについて説明します。

人的要因によるバッテリー上がり

車には、多くの電子機器装置が積載されています。
カーオーディオ、カーナビ、ルームランプ、シガーソケットなど。

他にも、運転手や同乗者が持ち込んだ電子機器があれば、それらは当然電気を使用します。

車の運転中であれば、エンジンについている発電機によって電気をまかないますが、エンジンが停止したまま電子機器装置を使用した場合、電気は全てバッテリーから供給されることになります。

ヘッドライトやルームランプの消し忘れ、半ドア、アクセサリ電源の切り忘れのように、運転者の操作ミスによって発生するバッテリー上がりのことを指します。

自然放電によるバッテリー上がり

使用年数が長く、バッテリーの劣化が進んだ場合、バッテリー自身の蓄電能力が弱くなります。

そのため、定期的にエンジンを動かして発電を促していても、十分な電気量を蓄えておけなくなってしまうのです。

また、蓄電能力が弱くなっているだけではなく、自己放電の量も増えてしまいます。

電気を蓄える総量と、電気を留めておくキープ性能がともに低下することによって発生するバッテリー上がりのことを指します。

バッテリーの役割について

バッテリーは、車を動かすために必要な電源です。
また、停車中に電子機器装置を動かすための電源にもなります。

始動時、運転中、停車中のバッテリーにはどんな役割があるのか説明します。

始動時のバッテリーの役割

車の始動時、バッテリーは最大の役割を果たします。
それは、エンジンを動かすためのスターターモーターを回転させ、エンジンを無理矢理回転させて始動させるという役割になります。

この際、とんでもない量の電気量を必要とし、始動するたびにバッテリーは少しずつ劣化していくのです。

運転中のバッテリーの役割

運転中のバッテリーは、基本的に大きな仕事をしていません。

カーナビやカーオーディオなどを運用するために必要な電気を供給するという仕事をしているものの、常に発電機によって充電されているため、バッテリーから持ち出された電気はそのまま即充電され続けるということになります。

つまり、運転中のバッテリーの残量は常にほぼ100%を維持されるということです。

停車中のバッテリーの役割

ここでいう停車とは、エンジンを停止させた状態を指し、駐停車とは別のものになります。

停車中のバッテリーは、常に起電力を電子機器装置に供給し続けることで、エンジン始動後に速やかに運用できる状況を作っています。

この起電力を供給し続けることで、車の設定や時計がリセットされることなく使用できるのです。

バッテリーが上がってしまうことによる問題とは

バッテリーが上がってしまうと、車は正常に作動することができなくなってしまいます。

特にEV(Electric Vehicle=電気自動車)は、バッテリーが全ての動力エネルギーとなるため「バッテリーが上がってしまう=不動車」という構図が成立してしまうのです。

バッテリーが発電する仕組み

一般的な車に搭載されているバッテリーは「鉛バッテリー」になります。

バッテリー内部は複数の部屋に分かれていて、それぞれの部屋に鉛板が配置されており、希硫酸という電解液を充填することで化学反応が起こり、その際に電気が生み出されます。

EV(Electric Vehicle=電気自動車)に使われているバッテリーとは

EVに使われるバッテリーは、一般的な燃料自動車の鉛バッテリーとは違う「リチウムイオンバッテリー」というものを採用しています。

リチウムイオンバッテリーとは、簡単に説明すると「電極にリチウムが使用されたバッテリー」のことです。

鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーの違い

鉛バッテリーは、バッテリー内部の各部屋に極板の鉛板を配置し、希硫酸との化学反応によって発電・蓄電する構造になります。

一方リチウムイオンバッテリーは、プラス極の電極にリチウムを使用し、電解液自体もリチウムイオンを含んでいます。

1番の違いは、リチウムイオンバッテリーは極板を使用していないということです。

プラス極とマイナス極の間を電解質が満たし、リチウムイオンが移動する際に電気が発生するということです。

希硫酸とリチウムイオン電解液の危険性

劣化してバッテリー上がりが発生してしまった場合、新しいバッテリーと交換しなければなりません。

バッテリーを交換する際、封入された電解液が漏れ出してしまうこともあるため、電解液の危険性を理解した上で作業してください。

希硫酸とは、その名の通り「硫酸」です。

希釈した硫酸で、劇薬であることが一般的に知れ渡っています。

鉛バッテリーの場合、発電量が安定しなくなった際に水を補充することでバッテリーの寿命を延命させることができます。

これは、使用に伴って水分量が減り、希硫酸の濃度が濃くなってしまうことで発電効率が悪くなったバッテリーへの対処方法になります。

一方、リチウムは硫酸以上に不安定な性質を持っており、圧力や温度変化によって膨張・破裂することがあります。

身近なところでは、携帯電話や携帯ゲーム機のバッテリーに使用されています。

充放電を繰り返し、経過年数が進むと膨張してしまう現象を目にしたことがあると思います。

希硫酸もリチウムイオン電解液も、皮膚や衣服に付着すると火傷や腐食を招きます。

電解液が溢れても、決して素手で触れないようにしてください。

鉛バッテリーが上がってしまった際の対処方法

出先で急にバッテリーが上がってしまうこともあります。

近くにバッテリーを取り扱っている店舗があれば良いですが、民家もなくすれ違う車もない山中などでバッテリーが上がってしまった場合、いくつかの対処方法を覚えておくと不安にならずに済みます。

対処方法1:バッテリーを振る・揺らす

ほとんどの車は、2本のフックでバッテリーを引っ掛けて固定しています。

そのため、意外と簡単に動かせるのです。

バッテリーを振る・揺らすことで、極板で結晶化(サルフェーション)してしまった物質を剥がすことができます。

極板の結晶を剥がすことで、鉛と希硫酸が再度発電しやすい状況が作り出されるため、緊急時のバッテリー上がりの対処ができます。

対処方法2:バッテリーに少量の水を入れる

バッテリーの電解液を薄めると、比重が低くなります。

希硫酸はイオン数が多く、抵抗値が少ないことで発電しやすい状況が保たれています。

しかし、バッテリーが上がってしまうほど劣化が進んでいる場合、そのほとんどで希硫酸の濃度が濃くなってしまっているのです。

発電しやすい電解液に戻すために、封印を解いて水を入れ、必要であればしっかりと振ってください。

極板が崩壊してしまうようであれば、そのバッテリーはすでに発電できない状況にあります。結晶化した物質が剥がれた場合、内部で気泡が発生するのが確認できます。

対処方法3:レスキューを呼ぶ

携帯電話が圏外でなければ、契約中の自動車保険会社へとレスキューを依頼してください。

GPSで現在地を確認できるサービスがある場合、現地に一番近い自動車整備工場などに救助連絡が入ります。

GPSでの居場所確認ができない場合、電柱やガードレールなどに書かれた情報を伝えることで現在地を特定してもらえます。

常備しておきたいバッテリー上がり対策グッズ

バッテリー上がりが起きないように、日頃からメンテナンスや点検を習慣づけることが一番重要な対策です。

しかし、車はアクシデントにより急に発電されなくなることもあるため、車載してあるといざという場面で困らずに済むアイテムがあります。

バッテリー充電器

毎日ではなくとも、月1や数ヶ月に1度バッテリーを充電することでバッテリー上がりは防げます。

エンジンにつけられた発電機だけでは、劣化し始めたバッテリーを満充電させることは難しくなります。

1日車を使わないとわかっている日や、予備のバッテリーがある場合は定期的に充電する習慣をつけましょう。

ブースターバッテリー

通常のバッテリーと同じサイズのものから、車載にも困らないとても小さなモバイルブースターバッテリーまで存在するため、ロングドライブやBBQが趣味だという方は1つ用意しておくことをおすすめします。

エンジンを停止した状態で電子機器装置を使用する場面も多くなるため、いざ車を移動させようと思った時にバッテリーが上がっているということも出てきます。

ブースターバッテリーがあれば、エンジンをかけるだけの電気は確保でき、その後発電機がバッテリーを充電してくれるので、難を逃れることができます。

水道水

500mlのペットボトル1本の水道水を常備しておくだけで、バッテリー上がりの対処ができます。

バッテリーが劣化していなくても、バッテリー上がりが発生した電解液は比重が濃くなってしまいます。

水道水を入れることで、電解液を正常の比重に戻す効果が見込めます。

また、電解液が溢れてしまった場合、水道水で洗い流せば周囲の劣化や侵食を防ぐこともできます。

ブースターケーブル

他の車から電気を借りる際に使うケーブルです。

12V車と24V車ではケーブルの太さが異なるため、自分の車のバッテリーに合ったケーブルを用意するようにしましょう。

24V用のケーブルであれば12Vも対応できますが、ケーブルが太くなると電気の流れは緩やかになってしまうため、電気を貸してもらう車のバッテリーや発電機の性能によっては、十分な電流を供給できない場合があるため、12V車には12V用のブースターケーブルを用意することをおすすめします。

女性用ストッキング

バッテリーが上がる原因の番外編として「ベルト切れ」が挙げられます。

発電機は、ゴムベルトを使ってエンジンの回転を利用しています。

メンテナンス不足や異物の混入によってゴムベルトが切れてしまった場合、発電は一切行われなくなり、車で使う電気は全てバッテリーからの供給となってしまうのです。

しかし、バッテリーには表示された性能以上の蓄電はできないため、放電し切ってしまえばエンジンは止まってしまいます。

女性用ストッキングは伸縮性を持っており、ゴムベルトの代用として使用できます。

真新しいものは伸びる量が多いため、ある程度引っ張った状態でセットしましょう。

上がってしまったバッテリーはどうすれば良い?

外出中に上がってしまったバッテリーは、再始動させて発電機によるリチャージを再開しても完全には復活しません。

そのため、発電機による断続的な充電ではなく、充電専用の設備によって強制的に満充電にする行程が必要になります。

バッテリー上がりを起こすと、内部の極板や電解液が著しく劣化してしまい、最悪の場合たった1回のバッテリー上がりで使い物にならなくなってしまうことさえあるのです。

強制的に満充電に到達させるには、深放電対応のバッテリーチャージャーが必要になります。

通常のバッテリーチャージャーは、バッテリー上がりを起こしていない満充電値が100%に近い状態をキープしているバッテリーを対象としているものが多く、放電し切ったバッテリーを再充電するには性能が不足してしまうのです。

バッテリー上がりを起こしてしまうと、使用最小値を下回るまで放電してしまうため内部の劣化が進み、上限値である満充電値が引き下げられてしまいます。

発電機さえ動けば充電される?

車についている発電機は、エンジンが動いている状態でゴムベルトが正しく発電機を稼働させている状態であれば、常時発電する仕組みになっています。

しかし、1番の問題は「発電機にも電源が必要」ということです。

この電源のことを「起電力」といいます。

バッテリーから直接発電機にケーブルが引かれており、エンジンがかかりさえすれば即発電を開始できるシステムです。

しかし、バッテリーからの起電力が不足していると、そもそもエンジンをかけることができず、発電機を稼働させられません。

バッテリーを充電するためにも、最低限の電力がバッテリーに残っていないと充電できないのです。

交換と充電の判断の仕方

過去にバッテリー上がりを起こしている場合、バッテリーは確実に劣化していると考えましょう。

ただし、前回の交換時期から経過日数が比較的少ない場合は、バッテリー自体の鮮度が高いので劣化度合いも少なく済んでいるはずです。

さらに、製造メーカーの所在地によっても、バッテリーの鮮度に信頼性が置けます。

経過日数は短いほど信頼でき、交換から1年未満の新品バッテリーであれば、万が一バッテリー上がりを起こした場合でも劣化の進みは遅くなります。

もし、バッテリー自体に原因があるバッテリー上がりだった場合、メーカー保証で新品交換されるケースもあるため、バッテリーの箱は捨てずに残しておくようにしましょう。

1年以上経過している場合、メーカー保証期間を過ぎていることがほとんどです。

この場合、まずは充電器によるリチャージを行い、しばらく走行した後にガソリンスタンドや自動車ディーラーでバッテリーチェックを受けてください。

リチャージ直後はバッテリーの充電率も100%に近いため、劣化度合いが見極められない場合があります。

しかし、50~200km程度走行後であれば、バッテリーの電気が目減りして、バッテリー内部の劣化度合いを判断しやすい状況になるのです。

このチェックにより要交換という判断がされれば、間違いなくバッテリー交換が必要な状態であると判断できます。

蓄電量の不足と、放電量の増加が現れた際は要交換として印字されます。まだ交換する必要はないものの、早めに交換した方が良いという判断をされる場合もあります。

使用していてすぐにバッテリー上がりが発生するとは言えないものの、蓄電量不足や放電量増加の兆候が確認された場合に印字されるため、ロングドライブの予定が直近である場合は交換しておくことをおすすめします。

またはブースターバッテリーを車載しておくようにしましょう。

バッテリーのダメージがほとんど見られない場合は、良好として印字されます。

車の発電機で効率的に充電する方法

バッテリー上がりが発生しても、運よくエンジン始動に漕ぎ着けられることも少なくありません。

しっかりとしたオイルメンテナンスをしていて、燃料も新しい状態で、吸気している空気がきれいな場合、一瞬でもスターターモーターが動いてくれればエンジンが始動できる場合があります。

このまま走り出せば、もしかすると電力不足で立ち往生しなければならないかもしれませんが、しばらく充電に時間をあてられれば最悪の事態を避けられるかもしれません。

一番悪いのは、走行中にエンジンが止まってしまい、その後一切身動きがとれなくなることです。

そうならないためにも、バッテリー上がりの兆候を感じた場合は、充電に時間を当てるようにしてください。効率的な充電の方法としては、携帯電話の電波がつながる安全な場所に車を置いて、エンジンを回し続けることです。

エンジン回転数はアイドリング状態でも構いませんが、2000〜2500回転をキープすることで発電効率をあげられます。

1時間程度充電させられれば、一度エンジンを止めた後でも再始動できるだけの充電が進んでいるはずです。

エンジンを止め、エンジンフード(ボンネット)を開け、ゴムベルトの張りをチェックしてみましょう。

手前側に3本程度のゴムベルトが確認できるはずなので、その中のどれかが発電機を駆動しています。

どれが発電機につながっているかは判断できなくても問題ありません。

ベルトを指で上から押した際に「1cm以上押し込める」場合は、ベルトの劣化による発電不足が考えられます。

一番近い整備工場かガソリンスタンドでベルト交換、もしくは張りの調整をしてもらいましょう。

ベルトの張りに問題が見られない場合は「発電機が壊れている」もしくは「バッテリーが劣化している」さらには「漏電」が考えられます。

トラブルシューティングの方法

漏電に関しては、アクセサリ電源が切れていない場合や、ルームランプやヘッドライトなどの常時電源装置の切り忘れによるものを指すため、各スイッチの確認で対処できます。

バッテリーの劣化は、まず裏側から携帯電話のライトで照らすことで電解液の入っている高さをチェックします。

ゲージよりも少ない場合、水を足すことで対処できる場合があります。

特に液量に問題がない場合、バッテリーケーブルの固定を確認しましょう。

緑や青のサビが発生している場合、バッテリーが劣化しているものと判断できます。

また、サビのせいでケーブルの取り付けが甘くなっている場合もあるため、一度取り付け状態の確認をしましょう。

ケーブルの金具をつまみ、左右に動かしてやるだけで確認できます。

緩んでいる場合は、サビを落とししっかりと固定してください。発電機の故障は素人目には判断できません。

ゴムベルトが掛けられているモーターのような装置がエンジン脇に確認できた場合、それが発電機になります。

この装置につながっているケーブルが切れていたり外れている場合は、発電機への電力が供給されずに発電ができていない状態と考えられます。

見た目にはケーブルにも問題なく、それでもバッテリー上がりが発生する場合は、バッテリーのサイズが「適正値以上のもの」が設置されているかを確認しましょう。

稀に、予算の都合や軽量化のためにバッテリーを小さいサイズに変更してしまうオーナーがいます。

バッテリーの蓄電容量が減ってしまうため、1度のエンジン始動で容量のほとんどを使用してしまう場合があります。

つまり、限界値以下まで電圧降下を繰り返すハードな使い方になってしまうということです。

このせいでバッテリーの寿命が著しく消耗されてしまうことがあります。

車載のメンテナンスノートや取扱説明書に書かれているバッテリーサイズと比較して、数字が同じもしくは大きなものが設置されていれば問題ありません。

仮に小さいものが設置されている場合、交換時期に関係なく早めの適正値を守ったバッテリーに交換することをおすすめします。

車のバッテリーの性能の見方

バッテリーには規格があります。

バッテリー上がりを気にするなら、できるだけ容量に余裕のあるものを使用しましょう。

通常の燃料自動車の場合

通常のバッテリーは「JIS規格」で作られています。

例えば「55B24R」と書かれたバッテリーがあったとします。

「55」はバッテリーの性能、容量を指します。50を境に、下へは2刻み、上へは5刻みで進んでいきます。

「B」はバッテリーの高さを表しており、A〜Hで表示されます。

バッテリーの性能を上げる場合、ここのアルファベットが同じものを選ばなければエンジンルームにバッテリーが収まらなくなるので注意しましょう。

「24」はバッテリーの横幅です。

バッテリー設置場所は比較的余裕を持って考えられているため、横幅が増えるだけであれば特に問題なく設置できます。

また、性能値の数字が増えれば横幅の数字も増えるのが一般的です。

つまり、サイズが大きくなるということになります。

最後の「R」はプラス端子の位置を表します。

Rはそのまま「右」、Lなら「左」、特殊なF・G・Hというものはカプラータイプになるため、他のバッテリーが使えません。

ただし、ここまで紹介したバッテリーは通常の燃料自動車で常時エンジンを回し続けるタイプに使われるバッテリーになります。

アイドリングストップ車、ハイブリッド車、欧州車ではこの限りではありません。

アイドリングストップ車の場合

アイドリングストップ車用のバッテリーは、JIS規格をベースにした「ISS型式」という表示方法を設定しています。

「M-65R」のように、アルファベットから始まるのが特徴です。

「M」は外形寸法区分となり、この1文字で高さと横幅を表します。

Mの場合はB20のバッテリーと同サイズとなり、他に「J・K・N・P・O・Q・S・T・U・V・W・X」が存在します。

「65」は性能値となるため、通常のバッテリーと同じです。最後の「R」も同じくプラス端子の位置になります。

価格が安いからと、アイドリングストップ車に通常のバッテリーを設置してしまった場合、正常なアイドリングストップができなくなるケースが非常に多くなります。

通常、ブレーキペダルを踏み込みながら停車した場合、完全停車と同時にアイドリングが止まります。

ブレーキペダルを放すと、エンジンが再始動するシステムがアイドリングストップです。

しかし、バッテリーの電圧が一定値を下回ってしまった場合、ブレーキペダルを踏んだ状態で完全停車した場合でも、即座にバッテリー保護のためにエンジンを再始動させる機能がついているのです。

通常のバッテリーは、アイドリングが止まってしまうと全ての電力をバッテリーがまかなうため、一定値を下回るまでの時間がとても短くなります。

アイドリングストップ車用バッテリーには、アイドリングストップ時のバッテリーの電圧降下が緩やかで、信号待ちの停車時間程度の短い期間であればバッテリーの電気供給だけでも問題なく電子機器装置を稼働させられる性能を持っているのです。

ハイブリッド車の場合

ハイブリッド車は、電気のみで走行する時間があるため、通常のバッテリー以上に性能が高いバッテリーが必要になります。

もちろんアイドリングストップ車のバッテリーでも性能不足となってしまうため、ハイブリッド車にはハイブリッド車用のバッテリーが必要となります。

「S42B20R」のような表示になります。

最初の「S」以外は、通常のバッテリーと同じ内容となるため説明を割愛します。

最初にある「S」は、制御弁式バッテリー「VRLA=Valve-Regulated Lead-Acid battery(制御弁式鉛蓄電池)」であることを表しています。

この制御弁は、バッテリー内の電解液の減液を抑制するために設けられており、補水する必要をなくすための装置になります。

また、ハイブリッド車のメインとなるバッテリーではなく、あくまでも補機バッテリーであることを覚えておきましょう。

メインバッテリーは、燃料自動車における「燃料」と同一の性質を持っているため、小さな容量の鉛バッテリー1つでは全くまかなえません。

欧州車の場合

欧州車の場合、バッテリー規格が日本とは異なる「DIN規格」のため、表示形式が全く異なります。

「5 54-59」のように、全てが数字で表されています。

最初の「5」はバッテリーの種類を表す数字です。

「12V100Ah」という基準があり、基準以上は「6」、基準未満なら「5」となります。次の「54」は「20時間率での公称容量」と言われますが、単純にバッテリー性能・容量を表示している数字になります。

ここが大きいものほど容量が大きくなるということです。

最後の「59」はシリアルナンバーになります。

このシリアルナンバーには内部構造やプラス端子の位置などの情報もまとめられているため、容量を増やしてもシリアルナンバーは変更しないのが一般的です。

パナソニック独自品番

一般的なバッテリーは、表示が「(社)電池工業会規格」で統一されています。

しかし、パナソニックはこの規格とは別の独自品番によって製品化しているため、もしパナソニックのバッテリーに付け替える場合は注意してください。

「66-25H」というバッテリーがあった場合、基本的な見方は欧州車用のバッテリーに近くなります。

最初の「66」は20時間率での公称容量。つまり性能であり容量の表示です。

ここが大きいほどに性能が高いことになります。

「25」は横幅、「H」はバッテリーの高さとなります。

国内車用EN規格

EN規格とは「European Norm」の略であり、EU(欧州連合)で制定された規格となります。

表示形式は「370 LN2」のような短いものです。

「370」は性能を表しており、数字が大きいほど高性能である照明になります。

しかし、JIS規格で設定している性能表示とは算出方法自体が異なるため、同じ数字が表示されていたとしても同じ性能ではないということを覚えておきましょう。

「LN2」とは、バッテリーの外寸を全て表したものになります。

「LN」と「LBN」に分けられ、LNは「190mm」LBNは「175mm」の高さのバッテリーであることを定めています。

「2」は長さを表します。EN規格のバッテリーの特徴として、幅(奥行き)は全て175mmに統一されているというものがあります。

バッテリー規格についての一覧

  • JIS規格(日本工業規格)
  • DIN規格(ドイツ標準規格/ドイツ工業規格)
  • SAE(米国自動車技術委員会規格/米国バッテリー企画)
  • EN(欧州規格)
  • BS(英国工業規格)
  • BCI(国際電池評議会)
  • IEC(国際電気標準会議)
  • SBA(電池工業会規格)

車がバッテリー上がりを起こさないための予備知識

バッテリー上がりを起こしてしまう原因として、電装品に対しバッテリー性能が低すぎることが挙げられます。

通常65サイズのバッテリーを装備していた場合、カーナビやオーディオ、さらにシガーソケットから1つの電装品を追加する程度の能力が限界だという認識を持っておきましょう。

つまり、標準装備のバッテリーサイズのまま多くの電子機器を充電したり、モニターを増設、スピーカーやウーファーの追加をすれば、バッテリーに過負荷がかかってしまい、結果的に電力不足を起こしやすくなってしまうということなのです。

もし電装品を追加する場合、電子機器そのものを追加する前にバッテリー性能を見直すことから始めるのが重要だと覚えておきましょう。

一般的なバッテリー上がり対策

一般的な方法の場合、車のバッテリー上がり対策にはそもそもの容量を大きくする他に方法がありません。

単3電池と単1電池が容量の差で寿命の長さに違いがあるのと同じように、バッテリーの容量を大きくすることで対処するやり方です。

手軽に少コストで対処できる方法であり、通常の電子機器増設程度であれば十分対応可能な範囲になります。

しかし、車中泊やキャンプが多くなるような使い方の場合、バッテリー容量を大きくするだけでは対応しきれなくなります。

例えば冷蔵庫を常設させたり、カーエアコンとは別にスポットクーラーを車載、冬には電熱ヒーターも使うなど、家で過ごすような設備を車に求めた場合、バッテリーの個数を増やすという方法が必要になってきます。

また、鉛バッテリーではなくリチウムイオンバッテリーを使うことで、大量の鉛バッテリーと同じ容量をたった1つのバッテリー増設で対応させるという方法もあります。

一歩進んだバッテリー上がり対策

先に挙げた「バッテリー容量の増加」や「バッテリーの増設」は、わかりやすく言えば「使い捨て電池と同じ方法」になります。

日常的に乾電池でも同じことをしているのです。

しかし、車のバッテリーは基本的に「充電式」であるため、最近のスマートフォンやタブレット端末と同じ方式を考えなければならないのです。

それは「充電器の強化」です。

最近の充電器は、ケーブルと変圧器が別で販売されているのが一般的です。

0.5Aで充電されていたものが1Aに進化し、1.5〜2Aへと電流が増えていきました。

そして今、アンペア値よりも電力値「W」で表示されるようになっています。

10W・20W・30Wと、1時間あたりの充電能力がどんどん進化しています。

これと同じことが車にも求められることになります。

つまり、発電機の「発電効率の向上」「発電量の増加」です。

方法は難しいものではなく、標準仕様の発電機から寒冷地仕様の発電機へと交換すれば良いのです。

一般的に、標準仕様の発電機の電流は110A前後です。

そして、寒冷地仕様の発電機は130A前後の電流を流します。

この20Aの差が、同じ1時間あたりでの発電量の増加につながるのです。

発電機をパワーアップさせると燃費は悪化する?

車の発電機をパワーアップさせると、回転させる力が通常時よりも多くなり燃費が悪くなると考える方が多くいますが、その答えは「NO」です。

交換する発電機は、メーカーが寒冷地仕様に発売している純正車両のものなので、サードパーティのアフターパーツではありません。

つまり「純正品」です。

ただし、寒冷地仕様が存在しないメーカーもあるため、全ての車に適用できる方法ではありません。

充電する際の電流量が増えた場合、満充電になるまでの時間が短くなります。

満充電となった場合、充電回路はカットされ過充電されないように車は作られているため、電気負荷が多少増えたところで、物理的な運動抵抗はかかりません。

つまり、燃費が悪くなるという事実は起こらないということになります。

ただし、発電機に設置されているプーリーのサイズを変えたり、軽自動車に乗用車用の大きな発電機を設置した場合はこの限りではありません。

それは、電気的変化ではなく物理的に抵抗値が変わるカスタムを行っているからです。

プーリーを小さくして回転数を増やして発電量を増やそうとした場合、回転軸までのテコ比が悪化するためエンジンの回転抵抗が増えてしまい燃費悪化につながります。

同様に、軽自動車の小さな発電機から乗用車用の大きな発電機に変えた場合、プーリー比が適正であったとしても、発電機そのものの回転抵抗が増えてしまうので、結果的にエンジンにかかる負荷が増えてしまうのです。

発電機内部のコイルの巻数や永久磁石の強度、摩擦抵抗部分の低摩擦化などによってアンペアアップされた発電機であれば、燃費の悪化を招くことなく充電効率を向上させられます。

車のバッテリー上がりまとめ

車のバッテリー上がりは、運転者の日常点検によってある程度防ぐことができるトラブルの一つです。

発電機がついているから充電する必要がないのではなく、バッテリーの寿命を延ばす意味でも定期的に無負荷状態で満充電にさせるという一手間をかけてあげると良いでしょう。

電装品が増えれば、バッテリーにかかる負担は当然多くなります。

純正サイズのまま設備を増やすのではなく、バッテリーに余裕を持たせることで電装負荷に対処できる容量を準備してあげてください。

また、バッテリーの性能アップを図る上で、発電機の性能アップも視野に入れておきたいポイントになります。

車の使い方次第で、バッテリーに求められる性能が変わるということをしっかりと理解した上で、バッテリー上がりを起こさない使い方を心がけてください。

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