自分で廃車手続きしようとお考えですか?
廃車手続きを自分でするなら、手続きの流れや必要となる書類を十分に確認しておきましょう。必要となる書類が揃っていないと、廃車手続きができずに何度も陸運局を行き来しなければいけないかもしれません。
今回の記事では、自分で廃車手続きするやり方を簡単にお伝えしていきます。また、廃車手続きを自分でせずに業者に依頼したほうがお得な場合が、実はあるのです。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
廃車手続きは「一時抹消登録」と「永久抹消登録」の2種類
廃車手続きには、「一時抹消登録」と「永久抹消登録」の2種類があります。
どちらの手続きでも、車両のナンバープレートを取り外しますので公道を走ることはできません。また、手続きが完了すると今後自動車税が課税されなくなります。
一時抹消登録とは、長い期間車に乗らないことを理由として、車の登録を一時的に停止する方法です。入院や海外出張などをきっかけに一時抹消登録する人や、もう乗らなくても手元に車を残しておきたいと考えている人が利用します。その他、車を譲る相手が見つかるまで、一時抹消登録している場合もあります。
永久抹消登録は、車を解体して二度と同じ車に乗れなくなる手続きのことです。解体業者やリサイクル業者に車を解体してもらってから、永久抹消登録を行うことで、陸運局の車両登録が消去されます。
廃車手続きの流れ
廃車手続きの流れをお伝えしていきます。自分で廃車手続きをしようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
普通車の廃車手続きの流れについてお伝えしますが、軽自動車の場合も申請先が異なるだけで、大きな流れは変わりません。
永久抹消登録手続きの流れ
永久抹消登録を行う流れは、おおよそ次のようになります。
解体業者やリサイクル業者に、車両を解体してもらう。ナンバープレートを取り外す。
解体が完了したと業者から連絡があれば、「移動報告番号」、「解体報告記録日」を忘れずに聞いておきましょう。永久抹消登録申請の手続きで必要です。
業者から解体の報告を受けてから15日以内に申請しなければいけません。自分で廃車手続きする場合、業者から解体完了の報告をもらえるようにきちんと伝えておきましょう。
必要な書類を揃えたら、陸運局へ出向く
印鑑登録証明書などの必要書類が揃ったら、管轄の陸運局で手続きを行います。
陸運局の受付時間は、平日の9:00~16:00の場合が多く、お昼休憩で受付できない時間帯もあります。ホームページを確認して、窓口の受付時間内に手続きに訪れましょう。
取り外しておいたナンバープレート2枚を窓口に提出する
陸運局の窓口で手数料納付書に記入し、ナンバープレート2枚と一緒に提出します。ナンバープレートを返却した確認印を手数料納付書に押印してもらいます。
陸運局窓口に永久抹消登録、自動車重量税還付(還付がある場合のみ)の申請を行う
確認印を受けた手数料納付書と、永久抹消登録申請書などの申請書類、必要書類を陸運局の受付で提出します。
自動車重量税の還付がある場合は、抹消登録申請書が還付の書類を兼ねているので、忘れずに記入してください。
自動車税の申請手続きを行う
永久抹消登録の手続きが終わったら、陸運局の敷地内にある自動車税事務所で自動車税の手続きを行いましょう。
自動車税を今後課税させなくする手続きと、すでに納付している自動車税の還付手続きを行うことになります。
なお、地域によっては自動車税の申請手続きが不要な場合もあります。
一時抹消登録手続きの流れ
一時抹消登録を行う流れは、おおよそ次のようになります。
前後のナンバープレートを外す
ナンバープレートを外すと、公道を走行できなくなります。プレートを外すタイミングには注意しましょう。
必要書類を揃えて、陸運局に出向く
管轄の陸運局へ申請手続きに行きましょう。陸運局の受付時間は、9:00~12:00、13:00~16:00の場合が多いので時間に余裕を持っておきましょう。
手数料納付書に記入して、ナンバープレートを返納する
取り外しておいたナンバープレートを窓口に提出します。返納すると、手数料納付書に確認印を受けましょう。
陸運局の窓口に書類を提出する
一次登録抹消に必要な書類を全て提出します。一時抹消登録では、手数料として350円の印紙を購入して申請書に貼りつけてください。。
登録識別情報等通知書を受領する
一時抹消登録の手続きが完了すると、登録識別情報等通知書を受け取って大切に保管してください。一時抹消登録した車をもう一度乗る手続きや、廃車にする手続きには、登録識別情報等通知書が必要です。
以前は、一時抹消登録証明書と呼ばれていました。
自動車税に関する手続きを行う
一時抹消登録の手続きが終わったら、陸運局の敷地内にある自動車税事務所で自動車税の手続きを行いましょう。
自動車税を今後課税させなくする手続きと、すでに納付している自動車税の還付手続きを行うことになります。
なお、地域によっては自動車税の申請手続きが不要な場合もあります。
自分で廃車手続きを行う流れ
自分で廃車手続きを行う場合の流れをご紹介していきます。軽自動車の場合と、普通自動車の場合についてお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
軽自動車の場合
軽自動車の場合、次のようになります。車を解体して乗れなくする手続きは、軽自動車では解体返納届と呼ばれています。
リサイクル業者に車の解体を依頼する
ナンバープレートを忘れずに取り外しておきましょう。
業者から解体官僚の連絡があれば、「解体報告記録日」を確認してメモしておきます。あわせて、使用済自動車引取証明書を受け取りましょう。
軽自動車検査協会で必要な書類を提出する
軽自動車検査協会で申請書を記入します。ナンバープレートを返納する必要があるため、忘れずに持参しましょう。
車検が1か月以上残っている場合、解体返納届と同時に自動車重量税の還付手続きを行います。
普通自動車の場合
普通自動車の場合、次のようになります。車を解体して乗れなくする手続きは、普通自動車では永久抹消登録と呼ばれています。
手続きの流れは、おおよそ次のようになります。
解体業者やリサイクル業者に、車両を解体してもらう。
陸運局で取り外しておいたナンバープレート2枚を窓口で返納し、永久抹消登録の手続きを行う。
自動車重量税還付(還付がある場合のみ)の申請を行う。
自動車税の申請手続きを行う。
自分で廃車手続きするときの必要書類
これからは、自分で廃車手続きする際の必要書類についてお伝えしていきます。
必要となる書類が揃っていないと、廃車手続きを受け付けてもらえず、何度も陸運局へ出向いていかなければいけません。
手間や時間がかかってしまいますので、しっかり準備して廃車手続きを行いましょう。
永久抹消登録
永久抹消登録で必要となる書類は、次のようなものがあります。
- 所有者の印鑑登録証明書(発行から3か月以内のもの)
- 所有者の実印
- 移動報告番号および解体通知書(解体業者から受領)、解体報告記録日のメモ
- 車検証
- 自動車リサイクル券
- ナンバープレート2枚
- 各種申請書(陸運局で入手します)
- 自動車重量税の還付がある場合は、還付金の振込口座情報、マイナンバーが確認できる書類
車検証の登録内容によっては、追加で住民票などが求められる場合があります。車検証の登録内容を確認しておくと安心です。
一時抹消登録
一時抹消登録で必要な書類は、次のようなものがあります。
- 車検証
- 所有者の印鑑登録証明書(3か月以内に発行したもの)
- 所有者の実印
- ナンバープレート2枚
- 手数料350円、各種申請書の購入費(数十円程度)
- 自動車税の還付がある場合、還付金を振り込む金融機関情報
- 各種申請書(陸運局で入手します)
車検証の登録内容によっては、追加で住民票などが求められる場合があります。車検証の登録内容を確認しておくと安心です。
軽自動車の永久抹消(解体返納)
軽自動車の登録を永久抹消する手続き「解体返納届」では、次のような書類が必要です。
- 使用済自動車引取証明書(移動報告番号を申請書に記入するため)
- 解体報告記録日を記したメモ
- 前後のナンバープレート2枚
- 車検証
- 車両所有者の認め印
- 各種申請書(軽自動車検査協会で入手する)
重量税の還付がある場合は、次の書類が追加で必要です。
- マイナンバーカードなど、個人番号が確認できる書類
- 還付金の振込先金融機関情報
車検証の登録内容によっては、追加で住民票などが求められる場合があります。車検証の登録内容を確認しておくと安心です。
軽自動車の一時抹消(自動車検査証返納)
軽自動車の登録を一時抹消する手続き「自動車検査証返納届」では、次のような書類が必要です。
- 車検証
- 前後のナンバープレート2枚
- 車両所有者の認め印
- 各種申請書(軽自動車検査協会で入手する)
車検証の登録内容によっては、追加で住民票などが求められる場合があります。車検証の登録内容を確認しておくと安心です。
自分で廃車手続きする方が安くなる場合
車を解体しない「一時抹消登録」を行う場合、自分で廃車手続きする方が安くなる可能性が高いです。
一時抹消登録を自分で行う場合、申請手数料350円だけで済むからです。一時抹消登録の手続きを代行してもらう場合、代行手数料として5,000~20,000円を支払う必要があります。
業者に廃車手続きを依頼した方が良い場合
車の解体が必要な「永久抹消登録」を行う場合、業者に廃車手続きを依頼したほうが費用が安くなる可能性があります。
自分で永久抹消登録を行う場合、車を解体するための費用や、レッカー費用などを負担する必要があるからです。
廃車買取業者なら、解体費用やレッカー費用をかけずに廃車することができます。
永久抹消登録を行うなら、廃車手続きを本人がするよりも廃車買取業者に依頼したほうがいいといえるでしょう。
廃車手続きに関するよくある質問
廃車手続きに関する、よくある質問にお答えします。
これから廃車手続きを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
自分で廃車の手続きをすることができます。
車を解体しない一時抹消登録であれば、代行手数料が要らないため自分で手続きするほうがお得でしょう。
永久抹消登録も自分でできますが、解体費用やレッカー費用を自分で負担する必要があります。
廃車買取業者に買い取ってもらうことで、費用負担を抑えられる可能性が高いです。
代理人が廃車手続きできます。
ただし、車の所有者本人が委任状を作成し、実印を押す必要がありますので注意しておきましょう。
委任状の様式は、陸運局や軽自動車検査協会のホームページでダウンロードできます。軽自動車の場合は、軽自動車検査協会のホームページから申請依頼書をダウンロードして利用しましょう。
廃車の手続きをする場所は、普通車の場合は陸運局、軽自動車の場合は軽自動車検査協会です。
陸運局も軽自動車検査協会も、受付時間は平日の9:00~16:00を目安にしておきましょう。
お昼休みがあるため、事前にホームページ等で受付時間を確認してから出向いたほうがいいでしょう。
自分で廃車手続きするほうが必ずしもお得とは言い切れません。
自分で廃車手続きする場合、次のような費用がかかります。
車両の解体費用 20,000~30,000円程度
車両のレッカー費用(故障などで走行できない場合) 5,000~30,000円程度
また、自分で陸運局に出向いて廃車手続きを行うため、時間や手間がかかります。
自分で廃車手続きするより、廃車買取業者に買い取ってもらったほうがお得となる場合は、決して珍しくありません。
廃車手続きの代行をしてくれるのは、大きく分けて4つです。
- ディーラ―
- 中古車取扱店
- 廃車買取店
- 行政書士
廃車手続きの代行手数料として、ディーラ―や中古車買い取り店、行政書士の場合10,,000~20,000円程度が必要です。
廃車買取店であれば、手続き費用がかからずに廃車することができます。
まとめ
今回の記事では、自分で廃車手続きをする方法についてお伝えしました。車を解体する永久抹消登録(解体返納)を行う場合、まずは車の解体を業者に依頼しましょう。解体が完了すれば、解体報告記録日を確認して忘れずにメモしておきます。
その後、陸運局または軽自動車検査協会でナンバープレートを返納して手続きすると、永久抹消登録(解体返納)が完了します。永久抹消登録の場合、車の解体費用を所有者が支払いますが、廃車買取業者なら所有者負担なしで廃車手続きを代行してもらえます。
一時抹消登録なら自分で廃車手続きしたほうがお得ですが、永久抹消登録なら廃車買取業者の利用も検討してみるといいでしょう。