自動車のバッテリーは寿命がきたら交換が必要な消耗品ですが、交換した後の古いバッテリーの処分にお困りではないでしょうか?
自動車のバッテリーは、ほとんどの自治体で危険物として指定されており、適切な方法で処分しなければなりません。
今回の記事では、「自動車のバッテリーの処分方法」や処分するタイミングや見極めるポイント、廃バッテリーを扱う上での注意点について解説していきます。
自動車のバッテリーの処分を考えている人や、処分方法に悩んでいる人は読んでみてください。
自動車のバッテリーを処分するタイミング
自動車のバッテリーを処分するタイミングは、補償期間を1つの目安にしましょう。
バッテリーのメーカーは、安全に使用できる期間として補償期間を設定し、バッテリーの外箱に記載しています。
補償期間は、一般的にガソリン自動車のバッテリーであれば2〜3年、ハイブリッドカーなら4〜5年程度です。
ただし、補償期間はあくまでも目安で、車の使用に不具合が生じれば、早めに交換しなければならないケースもあります。
バッテリーの劣化を判別するポイントについても解説していくので、参考にしてください。
バッテリーの劣化を判別するポイント
バッテリーは補償期間が設定されていますが、必ずしもその期間まで持つとは限りません。
乗り方や走行距離、メンテナンスによってバッテリーの消耗度は変わってきます。
安全に車を利用するためにも、バッテリーの劣化を判別するためのポイントをおさえておきましょう。
補償期間内でも以下のような症状が見られたら、バッテリーの性能が落ちているサインです。
- エンジンのかかりが悪い
- 走行中のライトが安定しない
- パワーウィンドウの動きが鈍い
- ひんぱんにバッテリー上がりが生じる
上記の症状はバッテリーを充電すれば元に戻りますが、改善されない場合は交換が必要な状態といえます。
自動車のバッテリーを処分する上で知っておくべきこと
自動車のバッテリーを処分する上で、大切なポイントについて解説していきます。
自動車のバッテリーは、内部に人体に悪影響をおよぼす液体が含まれているため、取り扱いに注意しなければなりません。
以下のように運搬時や保管時の注意点、処分方法などについて理解しておく必要があります。
- 自治体のごみ収集での処分は不可
- 必ず火気厳禁で管理する
- バッテリー液が漏れないように注意して扱う
- 自動車のバッテリーを分解するのは危険
詳しく解説していくので、バッテリーの危険性についての理解を深め、安全に取り扱うようにしてください。
自治体のごみ収集での処分は不可
ほとんどの自治体では、車のバッテリーをごみとして回収していません。
自動車のバッテリーは有害物や危険物とされており、各自治体のごみ処理施設での処分が困難なためです。
自動車の廃バッテリーは、基本的に購入したお店や専門の業者に依頼して処分します。
不法投棄は、5年以下の懲役か1千万円の罰金が課せられる処罰の対象となるので、絶対にやめましょう。
HPに問い合わせ先や依頼できる業者を掲載している市区町村もあります。
車のバッテリーの処分を考えている人はチェックしてみてください。
必ず火気厳禁で管理する
古いバッテリーは、運搬時や処分まで一時的に保管する場合は、火気厳禁で管理するようにしてください。
バッテリーは充電中だけでなく、車から取り外しても鉛と希硫酸の化学反応により、微量の水素ガスが発生しています。水素ガスに引火すると爆発する恐れがあるので、管理する際は厳重な注意が必要です。
屋外で管理する場合も、タバコのポイ捨てによって、火災に発展するケースもあるので、置き場所にも充分注意しなければなりません。
バッテリー液の不足や、金属製品や金属箇所とバッテリー端子の接触、静電気なども引火爆発の原因になり得ます。取り外した後のバッテリーの端子は、絶縁テープを巻いて保管するようにしてください。
バッテリー液が漏れないよう注意して扱う
廃バッテリーを扱う際は、運搬時や一時的な保管時に、バッテリー液が漏れないよう注意しましょう。
バッテリー液には人体に悪い影響をおよぼす希硫酸が含まれています。
手順通りに行えば自力で交換できるバッテリーですが、知らずに間違った扱い方をして液漏れすると、事故やケガにつながりかねません。
バッテリーの箱は、多少の傾きや振動でも電解液が出にくいように作られていますが、長時間の横倒しやフタのずれが生じると、液が漏れてしまうので注意しましょう。
不安な人は無理をせず、交換や運搬など、任せられる作業は業者に頼ってください。
自動車のバッテリーを分解するのは危険
「自治体でそのまま回収してもらえないなら分解してみよう」と考える人もいるかもしれませんが、非常に危険なのでやめましょう。
バッテリーの電解液に含まれる希硫酸は、肌にかかるとやけどやただれを引き起こし、目に入ると失明する可能性があります。
無事に分解できたとしても、希硫酸が危険物であるのに変わりはないので、どのみち自治体では引き取ってくれません。
危険を伴うだけで、処分できるようになるわけではないので、分解せず適切な方法で処分しましょう。
自動車のバッテリーを処分する方法
自動車のバッテリーを処分する方法について紹介していきます。
自動車のバッテリーは自治体サービスを利用して処分ができません。まだ処分経験のない人や、自力で交換した古いバッテリーの処分方法がわからないという人もいるでしょう。
自動車のバッテリーは、主に以下の方法で処分ができます。
- 新しいバッテリーの購入時に引き取ってもらう
- リサイクル業者に買い取ってもらう
- 不用品回収業者に依頼する
それぞれ詳しく解説していくので参考にしてみてください。
新しいバッテリーの購入時に引き取ってもらう
スムーズに処分したいのであれば、新しいバッテリーに交換する際に引き取ってもらうのが1番です。
以下のお店で新しいバッテリーを購入をして、交換を依頼すれば、バッテリーはたいてい無料で引き取りや下取りをしてくれます。
- ガソリンスタンド
- ディーラー
- 中古車販売店
- 車用品の販売店
ネット通販でも、バッテリー購入時に同時に申し込み可能な引き取りサービスがあり、700〜980円程度で利用可能です。
店舗利用の場合、まれに500円程度の廃棄費用を、購入費や交換代金に上乗せされる場合があるので、事前に確認するようにしてください。
完全セルフサービスのガソリンスタンドや、廃バッテリーの保管倉庫がない店舗など、対応してないケースもあります。
購入するバッテリーや交換の工賃など、必要な費用はかかりますが、交換から処分までお任せできるので、処分方法としては最も簡単です。
バッテリーの購入および交換ができる店舗は処分だけも可能
ガソリンスタンドや販売店は、購入や交換をしなくても、バッテリーの処分だけの利用もできます。
処分だけの場合は一般的に廃棄費用が発生しますが、料金はガソリンスタンドや車用品の販売店なら、おおむね500〜1,000円程度です。中には無料で引き取ってくれる店舗もあります。
ただし、購入や交換時と同様、セルフサービスのガソリンスタンドや1部の店舗では対応してないケースもあるので、処分だけの際も事前確認はしておきましょう。
個人でバッテリーを交換して、古いバッテリーの処分だけをしたいという人は、最寄りの店舗に問い合わせてみてください。
リサイクル業者(産廃業者)に買い取ってもらう
バッテリーの処分に費用をかけたくない人は、リサイクル業者(産廃業者)への持ち込みがおすすめです。
鉛が含まれる自動車のバッテリーは、再利用できる資源となるため、リサイクル業者で買取をしています。
買取金額は時期や業者によって異なりますが、2023年4月時点での平均買取価格は、バッテリー1kg(電解液込み)あたり50円前後です。
鉛バッテリーだけでなく、ハイブリッド車のニッケル水素バッテリーも、1個につき1,000〜2,000円程度で買い取ってくれる業者もあります。
ただ、持ち込みを前提としているリサイクル業者が多いため、持ち込みが難しい人は利用しづらいかもしれません。しかし、業者によっては出張買取している場合もあるので、費用をおさえたい人はチェックしてみてください。
不用品回収業者に依頼する
自動車のバッテリーを手軽に処分したいなら、自治体で回収できないごみに対応している不用品回収業者に依頼するのも1つの方法です。
多くの不用品回収業者は、自動車のバッテリーを回収しており、500〜1,500円程度の料金で引き取ってくれます。業者によっては、基本料金や出張費が加算される場合もありますが、即日対応してくれるケースが多いので、処分を急いでいる人におすすめです。
運び出しも従業員が対応してくれるほか、複数のバッテリーでもまとめて回収してくれます。
ただし、不用品回収業者に依頼する際は、悪徳業者を利用しないよう注意しましょう。
悪徳業者に依頼してしまうと、高額請求や不法投棄のトラブルに巻き込まれる恐れがあります。
適切に処分するためにも、不用品回収業に必要な「廃棄物処理業許可」や「古物商許可」を取得しているか、事前に確認して依頼してください。
自動車のバッテリー処分方法まとめ
自治体サービスで回収してもらえない自動車のバッテリーですが、面倒に感じたり、不安に思う必要はありません。
処分方法はさまざまあるので、自分に合った方法を選んで処分できるでしょう。
スピーディーに処分するなら回収業者、費用をかけたくないなら、無料で引き取ってくれる店舗や買い取ってくれるリサイクル業者があります。
扱いに不安があるなら車ごと店舗に持ち込むか、回収業者や出張買取がおすすめです。
プロの業者にお任せして、安全かつ適切に処分してもらいましょう。