
自動車のパンク修理について、基本的な知識や修理の依頼先についてご存知でしょうか?
思いがけないタイミングで生じる自動車のパンクは、適切に対処できるかどうかが重要です。安全に車を利用し続けるためにも、パンク時に行うべき対処法や、適切な修理方法について、しっかり理解しておかなければなりません。
この記事では、「自動車のパンク修理の見極め方」やパンク時の対処法、修理場所やパンク修理に関する基本的な知識について解説していきます。
自身の安全を守るためにも、自動車のパンクおよびパンク修理に関する知識を身につけておきましょう。
目次
自動車がパンクするとどうなるか
まずは、パンクによりどのような事態が起こるか、知っておくのが大切です。
乗る前にタイヤの潰れを確認できたり、点検時に判明したりする分には大きな問題に発展しませんが、走行時のパンクは、事故や命の危険につながる恐れがあります。
適切に対処するためにも、パンクによって生じる現象について、把握しておきましょう。
走行時にパンクしてタイヤの空気が減ると、以下のような現象が起こります。
- 車体のバランスが均等に保てなくなりハンドルの効きが悪くなる
- 地面から受ける振動が大きくなり乗り心地や振動が変化する
- タイヤがボディに接触し摩擦音や引きずるような異音が生じる
異変に気づいたら、すみやかに適切な対処法で対応しましょう。
パンクに気づいた時の対処法
自動車の走行中に、パンクに気づいた際の対処法について紹介します。
安全を確保するためにも、以下の手順で冷静に対処していくのが大切です。
それぞれの行程について詳しく解説していきます。
高速道路でのパンク時の対処法についても後述するので、参考にしてください。
1.走行速度を少しずつ落とす
走行中にパンクに気づいたら、ブレーキパッドを使って、徐々に減速させましょう。
パンク時に急ブレーキを踏むと、後続車と衝突事故を起こしかねません。
パンクにより、車体が不安定なまま走行し続けるのも非常に危険です。
スピードを落としながら、安全に停車できそうな場所を探しましょう。
左右前後の車に気をつけながら、少しずつ減速してください。
2.安全な場所に停車する
安全を確保できる場所が見つかったら、前後の車の間隔に気をつけて、車を停めます。
パンクしたままの走行は、地面へのホイールの直接接触による引火や、変形したタイヤに熱がこもって火災に発展する恐れがあるので、早めに停車させましょう。
亀裂部分からタイヤが裂けて(タイヤバースト)、運転が危険になる場合もあります。
タイヤの状態の確認ができる、できるだけ安全な場所に停められるのが望ましいです。
3.タイヤの状態を確認する
安全な場所に車を停めたら、タイヤの状態を確認してください。
ハンドルを思うように操作できない場合であれば、タイヤの凹みや歪みを目視できます。釘やガラス片などが刺さっている場合は、すぐに抜かずにそのままにしておきましょう。
刺さっているものを抜くと、タイヤの空気が抜けてしまい、自走が困難になります。穴の箇所もわからなくなってしまうため、修理にも時間がかかってしまうでしょう。
縁石などでタイヤをこすってパンクした場合、縁石との衝突によりタイヤ内のワイヤーが切れるケースがあります。ワイヤーが切れると、タイヤの側面にコブのような膨らみが生じ、徐々に大きくなってバーストするので、長距離走行は危険です。
応急処置ができそうか、走行が難しそうか、しっかりチェックするようにしましょう。
4.可能であれば応急処置を行う
パンクが確認できて状態が軽度なら、可能であれば、応急処置をします。
以下の方法で、自力で応急処置ができれば、修理場所までの自走が可能です。
- スペアタイヤに交換する
- パンク修理キットで穴を補修する
ただし、スペアタイヤの交換や修理キットでの補修は、あくまで一時的な処置でしかありません。
スペアタイヤは軽量かつコンパクトに作られているので、長距離走行には不向きです。
修理キットによる修理も確実な処置ではなく、同じ箇所がまたパンクする可能性もあります。
一時的な処置をした後は、早めに本格的な修理に出すようにしましょう。
5.応急処置が困難な場合はロードサービスに連絡する
パンクが重度の場合や応急処置ができない場合は、保険会社やJAFなどのロードサービスに連絡してください。
ロードサービスに依頼すれば、タイヤの交換や応急処置、レッカーによる移動などのサポートをしてくれます。
自力での応急処置が難しくても空気入れがあれば、ロードサービスを使わず、空気を入れながら慎重に走行して修理場所に持ち込めますが、無理は禁物です。
無理な走行は、タイヤのダメージを広げ、ホイールにもダメージを与えてしまい、タイヤの修理ができなくなる場合もあります。
ロードサービスは、一般的に会員であれば無料で応急処置に対応してくれるので、入会している人は無理をせずに頼りましょう。
高速道路でのパンク時の対処法
高速道路で自動車がパンクした場合の対処法について紹介します。
高速道路は一般道より安全に停車できる場所が少なく、後続車による事故に発展する可能性も高いです。身の安全を守るためにも、以下の手順で迅速に対処する必要があります。
- ハザードランプを点灯させて後続車に停止の意思を伝える
- 徐々に減速して路肩に寄せて停車させる
- 停車後は追突により車が走行車線に飛び出さないようハンドルを左いっぱいに切る
- 車両に設置されている発煙筒を着火して車の50m以上後方に置く
- 発煙筒と一緒に停止表示器材を設置する
- 車内や車の近くに残らずキロポスト(距離標)を確認して安全な場所に避難する
- 非常電話か携帯電話で110番か道路管制センターに救援依頼をする
- 救援依頼後にロードサービスを要請する
高速道路上を歩き回るのは非常に危険な行為です。応急処置を自分でできても、けっして作業は行わないでください。
安全確保を最優先し、同乗者を含め、停車した場所から後方のガードレールなどの防護策より外側の安全地帯に、すみやかに避難しましょう。
自動車のパンク修理はどこでできるか
自動車のパンク修理がどこでできるか紹介していきます。
パンク修理は整備工場やなじみのディーラーに依頼するのが安心ですが、パンクはどこで生じるかわからないので、修理が可能なところを知っておきましょう。
自動車のパンク修理は自動車の整備工場でできるほか、以下の場所で修理ができます。
- ガソリンスタンド
- カー用品店
- ディーラー
- タイヤ専門店
それぞれの特徴やメリット、注意点について解説していくので参考にしてください。
ガソリンスタンド
軽度なパンクに限られますが、急なパンクに便利なのがガソリンスタンドです。
ガソリンスタンドは、ディーラーやカー用品店より店舗数が多くあります。
比較的どこにでもあるので、旅先など不慣れな地域でも見つけやすいです。
基本的に応急処置的な外面修理のみですが、24時間営業している店舗もあるので、夜間でも利用できます。
ただし、ガソリンスタンドでのパンク修理は自走して持ち込むのが原則です。出張修理に対応している店舗もありますが、数は少ないので注意しましょう。
カー用品店
パンクの修理費用がリーズナブルに設定されていて、利用しやすいのがカー用品店です。
外面修理のみの店舗が多いですが、内面修理まで対応可能な店舗もあり、修理やメンテナンス用のスペースがあるので即時対応もしてくれます。
タイヤを豊富に扱っているので、パンク修理が難しい場合でも、タイヤ交換の依頼が可能です。
ただし、修理費用や対応可能な作業は店舗によって異なります。混雑時は待たされる場合もあるので、利用する際は、事前に問い合わせるようにしましょう。
ディーラー
パンク修理を最も安心して依頼できるのが、メーカーの正規販売店であるディーラーです。
購入した店舗なら車種の把握、点検で常時利用している店舗であれば、車両データの管理をしてくれているので、より依頼がしやすいでしょう。
パンクの修理そのものが難しい状態でも、特殊なタイヤでなければ、タイヤのサイズの控えがあるので、スムーズにタイヤを交換してもらえます。
新車の場合、保証内で無料で対応してもらえる可能性があるのも大きなメリットです。
ただし、ディーラーは営業時間が決まっており、定休日もあるので、急なパンク時に対応できるとは限らないという点だけ理解しておいてください。
タイヤ専門店
タイヤ専門店は、タイヤに特化している分作業レベルが高く、臨機応変な対応もしてくれます。
外面修理から内面修理まで対応しており、タイヤの損傷の度合いに合わせて最適な修理をしてくれるので安心です。
タイヤだけを持ち込んでの修理ができるほか、大型タイヤでも対応してくれる専門店もあります。
タイヤの使用に関するアドバイスも受けられるので、パンク経験のない人や、修理後の使用が不安という人は、タイヤ専門店に相談してみてください。
パンク修理にかかる費用
パンク修理の費用の目安について紹介します。
自動車のパンクの修理にかかる費用は、持ち込み先や、修理内容で異なるので、以下にまとめた料金表を目安にしてください。
外面修理の料金目安 | 内面修理の料金目安 | |
ガソリンスタンド | 1,500〜2,000円程度 | ー |
カー用品店 | 1,500円程度 | ー |
ディーラー | 2,000円程度 | 5,000円程度 |
タイヤ専門店 | 2,000円程度 | 3,000〜5,000円程度 |
カー用品店やガソリンスタンドは、比較的安く外面修理をしてもらえます。
ただし、カー用品店はチェーン店や個人店など、お店の規模によって料金に幅があるので、持ち込む前に確認しておくと良いでしょう。
パンクの修理ができないケース
自動車のパンクは、修理場所へ持ち込めば必ず直してもらえるわけではありません。
自動車のパンク修理とは、タイヤの接地面にできた6mm未満の穴を、外面修理か内面修理で補修します。以下のような状態に該当する場合は修理してもらえません。
- 6mm以上の大きな穴や亀裂によるパンク
- 接地面ではない側面などの損傷によるパンク
- 複数箇所に穴が空いている
- 過去に修理した箇所の近くに穴が空いている
- ゴムが劣化しひび割れが生じている
- タイヤがすり減ってスリップサイン(交換サイン)が出ている
タイヤの側面は接地面より厚さが薄いため、穴が空いても補修不可です。
複数箇所に穴がある場合は、穴をふさいでもタイヤの強度が保てなくなります。
修理不可と判断されたら、タイヤ交換をしてください。
外面修理と内面修理の違い
外面修理と内面修理の違いについて、わかりやすく解説します。
パンク修理の経験がない人や、修理方法についてよく知らない人は参考にしてください。
外面修理は、修理キットがあれば個人でも可能な、タイヤの外側からパンクの穴を埋める応急処置としての修理方法です。
タイヤの内側の状態が確認できないので、内面修理に比べて確実な処置とはいえません。外面修理をした場合は、その後の修理や対応について確認しておく必要があります。
内面修理は、ホイールからタイヤを外し、内側からパンクの穴をふさぐ修理です。
外面修理よりも確実な分、費用や作業時間がかかります。
しっかり修理したタイヤなら、使用方法に配慮すれば、一般道の走行は問題なく継続使用が可能です。
ただし、パンク修理したタイヤは劣化が早まる場合があります。空気圧が下がりやすくなり、高速走行時のリスクが高まるので、パンク修理したタイヤで高速道路を走るのは控えた方が良いでしょう。
安全に車を走行させるための修理なので、修理スタッフとよく相談するのが大切です。
親身に対応してくれるパンク修理業者を選ぼう
タイヤの修理は安全面に関わる大事なポイントなので、自動車のパンク修理をするなら、親身に対応してくれる業者に依頼してください。
点検やタイヤの空気圧チェックなど、メンテナンスにも配慮してくれる業者なら、修理後のパンクのリスクを軽減できるでしょう。
また、パンク時に起こる現象や対処法については、事前に理解しておくのが大切です。
適切な対処ができれば、大きな事故や身におよぶ危険の回避につながります。
この記事で自動車のパンクについての理解を深め、活用できるサービスを上手に利用して、快適で安全なカーライフに役立ててください。