
「自動車検査証」という言葉を聞いたことはありますか?自動車検査証とは、一般的には車検証と呼ばれるもので、車を運転するうえで非常に重要な書類です。また、車検証には有効期限がありますので、期限が近づいたら更新手続きが必要です。
今回の記事では、自動車検査証について詳しくお伝えしていきます。これから自動車を使用する方だけでなく、今車を運転している方も、是非参考にしてみてください。
目次
自動車検査証とは?
自動車検査証とは、使用する自動車が構造や装置について不備がなく、保安基準を満たしていることを証明する書類のことです。一般的には「車検証」と呼ばれており、車を運転するうえで必須の書類と言えます。
自動車検査証には、次のような情報が書かれています。
車両に関する情報
ナンバープレートの自動車登録番号、車両が初めて登録された日、車名や型式、排気量、車検の有効期間などが書かれています。
車両の所有者に関する情報
所有者の氏名または名称(社名)、所有者の住所について書かれています。
車両の使用者の情報
使用者の氏名または名称(社名)、使用者の住所について書かれています。
自動車検査証の重要性
自動車検査証の重要性は、法律によって決められていると言えます。自動車を運転するには、自動車検査証を車内に備えつけておかなければいけないからです。
車検証を備えつけずに車を運転していることが発覚すると、罰金を支払わなければならない可能性があるのです。また、自動車検査証は、自動車の使用者や所有者などを証明する重要な書類とも言えます。
車検や車の売却、廃車など様々な場面で車検証の提示が求められます。自動車内で大切に保管し、もし紛失してしまった場合は早めに再発行してもらいましょう。
自動車検査証の有効期限が近づいたらどうする?
自動車検査証の有効期限が近づいたら、使用している車両の車検を段取りしましょう。自動車検査証の有効期限は、車検の有効期間を示しています。有効期限後も引き続きその車に乗る場合には、車検を受けなければいけません。
自動車検査証の有効期限を過ぎて車を運転してしまうと、法律により罰則を科せられてしまいます。自動車検査証の有効期限が近づいてきたら、期間にゆとりをもって車検を受けましょう。
自動車検査証の更新時期と必要書類
これからは、自動車検査証の更新時期と、車検に必要となる書類についてお伝えしていきます。車検証の有効期限が近づいてきたという方は、ぜひ参考にしてみてください。
自動車検査証の有効期限と更新時期
自動車検査証の有効期限と更新時期についてお伝えします。自動車検査証の有効期限は、新車を購入して初めて車を登録するときは3年間で、それ以降は基本的には2年ごとに受けなければいけません。
自動車検査証の更新時期は、「有効期限の30日前~有効期限まで」を目安にしましょう。有効期限の1か月以上前から車検を受けると、次の車検証の有効期限の起点が車検を通した日になってしまいます。今の車検証で残っている有効期限を捨ててしまうことになりますので、おすすめできません。
有効期限が切れる1か月以内に車検を受けると、次の自動車検査証の有効期限は、今の有効期限を引き継ぐことになります。
自動車検査証の更新に必要な書類
自動車検査証の更新で必要となる書類は、次のとおりです。
- 自動車検査証
- 自動車税(軽自動車税)の納税証明書
- 自賠責証明書
- 点検整備記録簿
- 自動車重量税納付書および印紙
- 継続検査申請書
- 自動車検査票、手数料納付書、印紙、証紙
ディーラ―や車検業者に自動車検査証の更新を依頼する場合、基本的には1~3を準備しておくといいでしょう。また、車検証の更新を業者に依頼する場合、業者に委任状の作成を求められる場合があります。認め印を持っていると安心です。
自動車の整備に関する技術や知識があり、自分で車検を行う場合は、上記の1~7を準備する必要があります。
車検証の更新手続きの流れと注意点
車検証の更新手続きの流れと注意点は、次のとおりです。
ディーラ―や整備業者に連絡をとり、車検の予約を行う
車検を予約するときは、事前に費用を見積もってもらうといいでしょう。代車が必要な場合は、予約時に相談しておくことをおすすめします。
予約日に車検を受ける
予約日に車を入庫します。車内の荷物はそのままでも車検を受けられますが、貴重品は忘れずに降ろしておきましょう。
また、荷物がたくさんあったり、荷物が多い場合、車検の結果に影響する可能性があります。できるかぎり荷物は降ろしておくことをおすすめします。
車を引き取りに行く、費用を支払う
お店から車検完了の連絡があれば、車を引き取りに行きましょう。車検に必要な費用のうち、法定費用は車検前に支払を求められる場合が多いです。
車検で交換した部品代や整備費用は、後で請求されます。車検費用の支払方法は、店舗によって取扱いが異なります。事前に確認しておくと安心です。
更新手続きをスムーズに進めるためのポイント
更新手続きをスムーズに進めるポイントは、事前に自動車検査証の記載内容を確認しておくことです。自動車検査証は、車の所有者や使用者を証明する重要な書類です。
記載内容と実際が異なる場合は記載内容の変更を行う必要があります。変更する内容によっては、追加で書類の提出を求められます。車検を当日受けられない可能性もありますので、事前に自動車検査証の記載内容を確認しておきましょう。
自動車検査証の更新にかかる費用
自動車検査証の更新にかかる費用は、次のようなものがあります。以下の3つは、法定費用と呼ばれており、どこで車検を受けても一定の金額が必要です。
自賠責保険料(24か月) 普通車20,010円、軽自動車19,730円(令和5年3月1日現在)
自動車重量税(新車登録してからの年数や重量などによって異なります)
印紙(検査手数料)1,000~1,800円程度(申請方法等によって異なります)
車検をディーラ―などの車屋に依頼する場合、上記に加えて、次のような費用がかかります。
- 車の整備料金
- 車検代行手数料
上記の2項目は、ディーラ―等が任意で金額を決めています。
自動車検査証を更新した後の注意点
自動車検査証を更新した後は、車検証や自賠責保険証の乗せ忘れに注意してください。ディーラ―等に自動車検査証の更新を依頼した場合、すぐに新しい車検証がもらえるわけではありません。
新しい車検証が届くまでは、「保安基準適合標章」というシールをフロントガラスに貼りつけることで、車検証の代わりとすることができます。新しい車検証が届いたら、保安基準適合標章を剥がして、新しい車検証を車内に乗せておきましょう。
有効期限が切れた場合の罰則と更新方法
自動車検査証の有効期限が切れた後に運行した場合、いずれかの罰則が科せられます。
- 6ヵ月以下の懲役
- 30万円以下の罰金
また、無車検運行は交通違反にも該当しますので、違反点数が6点加算され、30日間の免許停止となります。非常に重い罰則が科せられますので、自動車検査証の有効期限には注意しておきましょう。
自動車検査証の有効期限が切れた車を更新する方法は2つあります。
市区町村役場で「仮ナンバー」を貸し出してもらい、車検を受ける方法
※自賠責の有効期間内である場合
仮ナンバーとは、無車検となった車を臨時的に運行するために使用するナンバープレートです。仮ナンバーの交付には、自賠責の保険証明書の提示や、車の運行経路や期間などを詳しく記入する必要があります。また、仮ナンバーの有効期限は、最長で5日間ですので、車検を受けるための臨時的な取扱いと言えるでしょう。
車検業者に積載車での引取を依頼して車検を受ける方法
積載車で引き取ってもらう場合、車検業者に「車検証の有効期限が切れていること」を伝えましょう。積載車の費用などについても同時に問い合わせておくと安心です。
なお、レッカー車を利用して車検切れの車を運ぶことは、基本的には出来ません。一方のタイヤが道路に触れるため、自走とみなされるからです。
自動車検査証の紛失や盗難にあった場合の対処法
自動車検査証を紛失したり盗難されたりした場合、対処法は車検証を再発行してもらうことです。
車検証を再発行してもらう場所は、軽自動車の場合は軽自動車検査協会、普通車の場合は陸運局です。
車検証の再発行を車検業者に依頼することもできますが、自分で再発行の手続きを行うこともできます。再発行にあたっては、申請書や理由書の記入、身分証明書の提示や再交付手数料(300~350円)が必要です。
車検業者に依頼する場合、別途代行手数料が必要となります。なお、車検証を盗難された場合、再発行の手続きだけでなく、警察へ被害届を提出する必要があります。
近くの交番や警察署で、相談してください。被害届を出すときには、盗まれたときの状況や、車検証の保管状況などを聞かれます。事前に整理しておくといいでしょう。
自動車検査証の情報が変更になった場合の手続き方法
自動車検査証の情報が変更になった場合の手続き方法について、お伝えします。車両の所有者や使用者の氏名、住所が変わった場合、車検証の記載内容も変更しなければいけません。
住所を変更する場合
管轄の陸運局または軽自動車検査協会で、必要な書類を持参して手続きします。
普通車の場合 | 軽自動車の場合 |
車検証 | 車検証 |
住民票(発行から3か月以内) | 住民票または印鑑登録証明書(発行から3か月以内) |
手数料納付書、自動車税申告書(陸運局で入手) | 自動車検査証記入申請書、軽自動車税申告書(軽自動車検査協会で入手) |
委任状(代行を依頼する場合) | 申請依頼者(代行を依頼する場合) |
車庫証明書(警察署で手続き) | ― |
軽自動車の場合は、住所変更の手数料は必要ありません。普通車の場合、350円の手数料がかかります。
氏名を変更する場合
結婚、離婚等により、車両の所有者や使用者の姓が変更となった場合、陸運局または軽自動車検査協会で変更手続きを行います。
普通車の場合 | 軽自動車の場合 |
車検証 | 車検証 |
戸籍謄本(発行から3か月以内) | 戸籍謄本(発行から3か月以内) |
手数料納付書、自動車税申告書(陸運局で入手) | 自動車検査証記入申請書、軽自動車税申告書(軽自動車検査協会で入手) |
委任状(代行を依頼する場合) | 申請依頼者(代行を依頼する場合) |
軽自動車の場合は、住所変更の手数料は必要ありません。普通車の場合、350円の手数料がかかります。
自動車検査証のまとめ
今回の記事では、自動車検査証についてお伝えしました。自動車検査証の更新手続きを行う場合、まずは車検証の記載内容が正しいかどうか確認しましょう。住所や氏名などの変更があると、追加で書類を提出しなければならず、手間がかかります。また、車検証を更新するときは、有効期限の1か月前を更新時期と考えておきましょう。車検を受けるのが早すぎると、今の車検期間を捨ててしまうため、損をしてしまいます。車検証は、普段は車に乗せているだけかもしれません。しかし、適切に車検期間を更新しておかないと、刑罰の対象となってしまいますので、注意しておきましょう。