
目次
車のフレームとは?
車のフレームとは車の形状を保つ上で重要な要素であり、「枠」や「額縁」という本来の意味通りに車の骨組みや土台を構成しています。
安全性や車体の安定性にも影響を与え、バランスが崩れると正常に走行できなくなる可能性もあります。もしフレームに傷があると思われる場合は、細部まで注意深くチェックすることが重要です。
また、フレームの状態は車検においても検査対象であり、修復されていないゆがみがある車は注意が必要です。安全性が認められず、車検に合格しない可能性もあります。
車の安全性を確保するためにも、フレームの状態には十分な注意が必要です。
関連記事:自動車の修理依頼はどこに頼む?費用相場や料金・タイプ別(へこみ・傷)の修理の流れを徹底解説!
車のフレーム修理|種類
現在、主流な車メーカーは2つのフレーム構造、すなわち「ラダーフレーム構造」と「モノコック構造」を採用しています。これらはそれぞれ魅力的な特性を持っていますが、重量や安定性などの面でデメリットも見受けられます。
車のタイプによって傾向があり、それぞれの違いを理解しておくことが重要です。ここでは、2つのフレーム構造に分けて詳しく解説します。
各構造の特徴や利点、欠点についてご紹介します。車のフレーム構造についてより深く理解することで、適切な選択が可能です。
ボディとフレームが一体している「モノコック構造」
「ラダーフレーム構造」はパーツの分割によって耐久性を高める一方、「モノコック構造」は一体化によってメリットを享受します。
モノコック構造では、設計段階からフレームとボディが組み合わされ、車体は一つの箱のような形状を持ちます。
この構造は部品点数が少なく、軽量化が容易なのが魅力です。衝突時には車体全体で衝撃を分散させ、乗員への影響を軽減する効果も期待できます。
一方、デメリットとしては、強い衝撃によりフレームが大きく変形する可能性があります。段ボール箱のような刺激を受けたイメージで理解しやすいでしょう。高い安全性が見込める一方で、想像以上に大きな変形が生じる可能性もあります。
クロカン車に多い「ラダーフレーム構造」
「ラダーフレーム構造」は、古くから採用されてきた構造の一つです。
フレームをはしごのように作り、ボディと組み合わせることで車体を構築します。
この構造では、フレームとボディがそれぞれ独自の耐久性を持っているため、外部からの刺激に強いメリットがあります。
このため、クロカンや4WD、大型トラックなどでよく採用されます。
横転や衝撃による故障リスクを軽減できるためです。
しかし、ラダーフレーム構造は重量が増えやすいというデメリットもあります。車両の重量は燃費にも関わるため、燃費効率はモノコック構造に比べて低下しやすいと言えます。
車のフレーム修理|フレームがゆがんでしまう原因
現代では、安全性と耐久性への関心が高まっていますが、些細な操作でもフレームが損傷する可能性があります。
以下に挙げる例が主な原因です。
- タイヤが側溝にはまること
- フレームが縁石に接触すること
- タイヤが縁石に強くぶつかること
これらは動作に関連する原因ですが、厳密にはさまざまな要素が含まれることを理解しておく必要があります。同じような衝突でも、角度や強さの違いによって結果が異なることもあります。
車のフレーム修理|修理方法
フレームが歪んだ場合、自分で車の修理を考えるかもしれませんが、安易に行うことは適切ではありません。
フレーム修理は、ボディの小さなへこみや塗装のような簡単な作業ではありません。
修理を誤ると状態を悪化させるリスクもありますので、基本的には危険と考えるべきです。フレームの修理方法について詳しく解説します。
自分で修理するのは難しい
ゆがんだフレームを適切な状態に修復するには、状況の把握と修理技術の習得が必要です。
多くの場合、車体の下から修理が行われるため、環境整備も重要です。
修理には整備経験や専門知識が必要であり、一般の方には自己修理を避けることが賢明です。
フレームのゆがみが明確であっても、実際に目で確認しない限り、どの部分がどのようにゆがんでいるかを正確に判断することはできません。
無闇に手を加えることはリスクを高める可能性がありますので、まずは修理業者に相談してみることをおすすめします。
板金加工が一般的
車のフレーム修理を専門業者に依頼する場合、一般的に行われる方法は「板金加工」と呼ばれます。
これは金属製のフレームの形状を変えることで、元の状態に近づける作業です。ただし、重要な点として、フレーム自体を交換するわけではなく、ゆがみを目立たなくすることを目的としています。
修理後に完全に元の状態に戻すことができない場合もあります。その場合、修理が終わった後でも違和感を感じたり、運転が不便になる可能性がありますので注意が必要です。
車のフレーム修理|歪みや変形はどこで修理できる?
フレームの歪みや変形は車体のバランスを乱し、放置して運転を続けると重大な事故につながる可能性があります。
運転の安全性を確保するためには迅速な対処が必要ですが、修理を依頼する場合、どこに頼めばいいのでしょうか。
車のフレーム修理は専門の修理工場へ依頼するのが一般的
一般的には、車のフレーム修理は板金加工を行う修理工場に依頼することが一般的です。
また、ディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドなどにも修理依頼することができます。
ただし、ディーラーは板金加工は下請け業者に依頼するため、仲介手数料がかかり費用が高くなることがあります。
また、カー用品店やガソリンスタンドは店舗によって板金加工に対応していない場合もあるため、注意が必要です。
車のフレーム修理における注意点
一般的に、車のフレーム修理は板金加工によって歪みを元の形に近づける方法が使われます。
ただし、完全に元通りに修復できない場合もありますので、その点を理解しておくことが重要です。
また、修理を施した車は中古車買取時に「修復歴あり」と見なされることがあります。修復歴のある車は一般的な相場よりも買取額が低くなる傾向があります。
車のフレームのDIY修理について
車のフレーム修理には正確な状態の把握と板金加工の技術が不可欠です。
微妙な歪みや変形を見極め、ボディ寸法図を用いて修復計画を立てる必要があります。
さらに、繊細な作業を専用の機械を使って行うため、熟練の技術がなければ状態を悪化させる可能性があります。
整備や修理の経験がない場合は、DIY修理を避けることが重要です。
車のフレーム修理|費用や期間はどれくらい?
車のフレーム修理に関する費用や期間についてみていきましょう。
車のフレーム修理費用
フレームの修理は手間がかかるため、小さな損傷でも10万円以上の費用がかかることが一般的です。モノコックフレームや深刻な損傷の場合は、修理費用が100万円前後になることもあります。
修理にはフレーム自体の補修だけでなく、周囲のパーツの解体や組み立てにもコストがかかるため、費用が高額になりがちです。
もちろん、車を買い替える選択肢もありますが、同じ車を修理して乗り続けたい場合は、高額な費用がかかることを覚悟し、事前に見積もりを依頼しましょう。
車のフレーム修理期間
車のフレーム修理は即日完了することはなく、通常は数日間かかります。しかし、損傷が深刻な場合は作業工程が増えるため、数週間から1ヵ月ほどかかることもあります。
修理期間中に移動手段に困る場合は、代車の手配も検討しましょう。修理にかかる時間は個別の状況により異なるため、修理業者と相談しながらスケジュールを確認しましょう。